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【高齢者の介護】おすすめウォシュレット【トイレ介助の負担を減らす方法は?】

中山 裕司

高齢のご家族がトイレで苦労されている姿を見て、何かできることはないかと考えている方は少なくないでしょう。

特に、身体の自由がきかなくなり、おしりをきれいに拭けないという問題は、ご本人の自尊心だけでなく、日々の介護における負担にもつながります。

失敗や後悔のない製品を選ぶためには、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。

今回は、高齢者や介護するご家族の負担を軽減するために、どのような温水洗浄便座がおすすめなのか、具体的な選び方から最新の製品まで詳しく解説します。

※「ウォシュレット」はTOTO社の登録商標です。本記事の一部で使われる「ウォシュレット」は、一般的な温水洗浄便座の意味で使用しています。

介護場面で役立つ高齢者におすすめのトイレとは?

高齢の方が毎日使うトイレは、少しの工夫で格段に安全で快適な空間に変わります。身体機能の変化に合わせて、立ち座りの動作を助けたり、介助がしやすくなったりする環境を整えることが大切です。ここでは、トイレ空間全体を考える上で基本となる3つのポイントをご紹介します。

コンパクトなサイズの便器にする

トイレ内での動作をスムーズにするためには、十分なスペースの確保が鍵となります。

特に、車椅子を利用している場合や介助が必要な場面では、動きやすさが安全性に直結します。

便器の前に少なくとも500mm以上のスペースがあると、立ち座りや体の向きを変える動作が楽になります。(参考:https://www.sanitary-net.com/reform/point01.html

このスペースを確保する上で有効なのが、前後の長さが短いコンパクトな便器を選ぶことです。

LIXILの「サティス」やPanasonicの「アラウーノ」などは、コンパクトな設計でありながら高い機能性を備えています。

限られた空間を有効活用し、ゆとりのあるトイレ空間を実現することが、転倒などのリスクを減らす第一歩と考えられます。

立ち座りしやすい便座を選ぶ【補高便座をセットする】

足腰の力が弱くなると、低い位置から立ち上がる動作は大きな負担となります。

便座の高さが身体に合っていないと、毎日何度も繰り返されるトイレの利用が苦痛になりかねません。

理想的なのは、便座に座ったときに膝が90度以上に曲がり、足が床にしっかりとつく高さです。

ご本人の体格に合わせて便器を選ぶのが基本ですが、既存の便器の高さを調整する方法もあります。

その一つが「補高便座」の活用です。

これは、現在の便座の上に取り付けるだけで高さを補うことができる器具で、TOTOの「ウォシュレット付補高便座」のように、温水洗浄機能と一体になったタイプも販売されています。

ただ、注意点として、補高便座を取り付けることで便座が少し不安定になったり、掃除がしにくくなったりする可能性があります。

導入を検討する際は、メリットとデメリットの両方を理解した上で、ご本人の身体状況に最も合うものを選ぶことが求められます。

手すりを設置する

手すりは、立ち座りの動作を安定させ、転倒を防ぐために非常に有効な設備です。

腕の力で体を支えることで、足腰への負担を大きく減らすことができます。

手すりを設置する際は、ただ取り付ければ良いというわけではありません。

ご本人の身体状況や利き手、トイレの構造に合わせて、適切な形状や材質のものを選び、正しい位置にしっかりと固定することが不可欠です。

一般的には、便器の先端や座面の高さを基準にして設置位置を決めます。

手すりには、壁に固定するI型やL型のものから、便器自体に取り付けるタイプ、置き型で工事が不要なものまで様々です。

Panasonicの「手すり付便器」のように、あらかじめ便器と一体化している製品もあります。

どのタイプが最適か分からない場合は、ケアマネジャーや福祉用具の専門家に相談してみるのが良いでしょう。

「拭く」行為を減らすことも大事

トイレ環境の物理的な改善と合わせて考えたいのが、「拭く」という行為そのものを見直すことです。

温水洗浄便座が普及した現在でも、最後は紙で拭いて仕上げるのが一般的ですが、この「拭く」という動作が高齢者や介助者にとって大きな壁となる場合があります。

なぜ「拭く」のが難しいのか?身体的な理由

年齢を重ねると、身体には様々な変化が現れます。

若い頃には何気なくできていた動作が、次第に難しくなることは少なくありません。

トイレでおしりを拭くという行為もその一つです。

例えば、肩の関節が動きにくくなったり、腰に痛みがあったりすると、腕を後ろに回して体をひねる姿勢そのものが苦痛になります。

また、体幹が不安定になったり、指先の力が弱くなったりすることで、しっかりと拭き取ることが困難になるケースも考えられます。

ご本人にとっては、誰にも相談できず、一人で悩みを抱え込んでしまうデリケートな問題でもあります。

拭き残しによる皮膚トラブルのリスク

しっかりと拭き取れない状態が続くと、衛生面での問題が生じることがあります。

特に高齢の方の皮膚は、乾燥しやすく非常にデリケートです。

便や尿が皮膚に付着したままになると、それが刺激となってかぶれや炎症を引き起こす可能性があります。

おむつを使用している場合には、おむつ皮膚炎につながることもありますし、状態が悪化すると床ずれ(褥瘡)の一因になることも指摘されています。

清潔を保つことは、皮膚を健やかに保ち、二次的なトラブルを防ぐ上で非常に大切です。

介助者にとっても拭く行為は大変

ご自身で拭くことが難しい場合、その役割はご家族などの介助者が担うことになります。

この排泄介助は、介護の中でも特に心身への負担が大きいものの一つです。

データベース内の介護施設でのヒアリング情報によると、介護者は利用者の方を支えながら中腰で拭き取りを行うため、腰に大きな負担がかかるとされています。

時には、一人では支えきれず、二人がかりで対応することもあるようです。

身体的な負担だけでなく、衛生面への配慮や、介助される方の羞恥心に配慮する精神的な負担も伴います。

乾燥機能を見直したxtrmとは?

このような「拭く」ことに関する悩みを解決するために開発されたのが、Water X Technologies社が手がける温水洗浄便座「xtrm(エクストリーム)」です。

この製品の最大の特徴は、従来の温水洗浄便座が苦手としていた「乾燥機能」を徹底的に強化した点にあります。

開発したのは、トイレ業界で20年の経験を持つ元設計者です。多くの利用者が乾燥機能を使わなくなる理由が「乾くまでに時間がかかりすぎる」ことにあると突き止め、特許技術を用いて最短30秒という高速乾燥を実現しました。

温水で洗浄した後、紙を使わずに温風だけでおしりをサラサラの状態にすることを目指した、新しい発想の製品です。

xtrmの特徴

xtrmは、強力な乾燥機能以外にも、利用者や介護者のことを考えた多くの特徴を備えています。

圧倒的な高速乾燥

瞬時に強い風を送り出すモーターと、おしりの形状に合わせて温風が流れるように設計された独自のダクトを搭載しています。

これにより、水分を効率的に除去します。

風の強さは6段階、温度は5段階で細かく調整できるため、利用者の好みに合わせた快適な使用感が得られます。

こだわりの温風

ただ乾かすだけでなく、温風の質にもこだわっています。

遠赤外線効果で身体を芯から温めるような柔らかい温風を送り出し、同時にマイナスイオンを発生させることで、より快適な乾燥時間を実現します。

環境への配慮と経済性

温風乾燥を基本とすることで、トイレットペーパーの使用量を大幅に削減できます。

これは、森林資源の保護や製造・輸送時に排出されるCO2の削減につながり、環境に優しい選択です。

また、トイレットペーパーの購入費用や、買い物の手間が省けるという経済的なメリットもあります。

優れた基本性能と清掃性

洗浄機能には、使う瞬間だけお湯を作る「瞬間給湯式」を採用しているため、お湯が切れる心配がなく、省エネ性能も高いです。

便座やノズルには抗菌樹脂が使われており、便座はワンタッチで簡単に取り外せるため、便器との隙間など、汚れがちな場所も楽に掃除できます。

ここで、xtrmと一般的な温水洗浄便座の特徴を比較してみましょう。

機能項目xtrm(エクストリーム)一般的な温水洗浄便座(瞬間式)一般的な温水洗浄便座(貯湯式)
乾燥機能特許技術で最短30秒の高速乾燥乾燥機能がない、またはあっても時間がかかることが多い乾燥機能がない、またはあっても時間がかかることが多い
お湯の方式瞬間給湯式(省エネ)瞬間給湯式(省エネ)貯湯式(保温に電力が必要)
省エネ性能高い高いやや低い
ペーパー削減大幅な削減が期待できるあまり期待できないあまり期待できない
設置後付けタイプで多くの便器に対応後付けタイプで多くの便器に対応後付けタイプで多くの便器に対応

利用者の声

xtrmは、クラウドファンディングサイト「Makuake」での先行販売において、多くの支援者から期待の声を寄せられています。

コメントには「紙の使用量を減らせるのがいい!」「画期的なエコ商品で使うのが楽しみです」といった、環境意識の高さや新しい機能への期待が見られます。

また、開発段階では特別養護老人ホームでの実証テストも行われました。介護のプロからは、乾燥機能について「たしかに乾く、今までにない機能」と高く評価されています。

導入前に確認したいこと【Q&A】

Q
操作は難しくないですか?

xtrmの基本的な操作は、直感的で分かりやすいように設計されています。

乾燥風の強さはダイヤルを回すだけ、温度やシャワーの強さもボタンで簡単に設定可能です。

公式サイトでは、主な操作方法をまとめた資料も公開されているため、事前に確認しておくとより安心です。

前述の通り、介護現場からのフィードバックを基に、介助者が使いやすい専用リモコンの開発も検討されているようです。

ご高齢の方がご自身で操作する場合も、介助者がサポートする場合も、使いやすさに配慮されていると言えます。

Q
賃貸の実家でも設置できますか?

xtrmは、後付けタイプの温水洗浄便座が設置されているトイレであれば、ほとんどの場合で取り付けが可能です。取り付け工事も約1時間で完了します。

ただし、賃貸住宅の場合は注意が必要です。

退去時には原状回復の義務があるため、設備を変更する際には、必ず事前に大家さんや管理会社に連絡し、許可を得るようにしてください。

無断で交換するとトラブルの原因となる可能性がありますので、契約内容を確認し、必要な手続きを踏むことが大切です。

賃貸で温水洗浄便座を取り付ける手順

Q
介護保険などの対象になりますか?

単に温水洗浄便座を「設置」するだけでは、原則として保険給付の対象とはなりません。

しかし、「便器の取替え」の一環として温水洗浄便座を設置する場合や、立ち座りを補助する「補高便座」の機能を持つ製品への交換は、住宅改修として認められることがあります。

正確な情報については、必ず担当のケアマネジャーや、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口に事前に相談してください。

まとめ

ご高齢の方や介護するご家族にとって、トイレの悩みは非常に切実です。

その負担を軽減するためには、2つのアプローチが考えられます。

一つは、手すりの設置やコンパクトな便器への交換、補高便座の活用など、トイレ空間の物理的な環境を整え、立ち座りといった基本的な動作を安全で楽にすることです。

そしてもう一つは、温水洗浄便座の機能を最大限に活用し、「拭く」という行為そのものから解放されることです。

xtrmのような強力な乾燥機能を備えた製品は、拭き残しによる皮膚トラブルのリスクを減らし、ご本人の自立を促すとともに、介助者の心身の負担を劇的に軽くする可能性を秘めています。

毎日のトイレが快適になることは、生活の質(QOL)全体の向上に直結します。

この記事でご紹介した情報を参考に、ご本人とご家族にとって最適なトイレ環境とは何かを考えるきっかけにしていただければ幸いです。

この記事を書いた人
中山裕司
中山裕司
株式会社Water X Technologies代表取締役。元住宅設備メーカーの設計者で、水回り業界に20年以上携わる水回り製品のプロです。ご質問やお困りごとがあれば、お気軽にお問い合わせください。⇒お問い合わせはこちらから
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