※「ウォシュレット」はTOTO社の登録商標です。本記事の一部で使われる「ウォシュレット」は、一般的な温水洗浄便座の意味で使用しています。
温水洗浄便座には、便器と便座機能部分が一体になった一体型と、便器と便座機能部分が別々になった後付分離型があります。
▼▼比較(メリット・デメリット)▼▼
タイプ | 一体型 | 後付け分離型 |
特徴 | 便座と便器で機能やデザインが一体になっているタイプ | 便座単独で交換できるタイプ |
写真 | ||
見た目 | すっきりしたデザインになる
継ぎ目が少ないので掃除しやすい |
便器は古いまま使うことになる |
機能 | 一般的に機能が豊富で、便器も最新の節水・防汚機能を選べる | ホースが乱雑な見た目になる |
価格 | 高い(20万円~、30万円以上するものもある) | 安い(最安価だと1.5万円から) |
故障時 | 将来、洗浄便座部分だけを交換できずに便器ごと交換になる可能性がある(専門業者でないと交換が難しい) | 便座部分だけを手軽に交換できる(自分でも交換可能) |
便器一体型の温水洗浄便座
便器一体型の温水洗浄便座は、温水洗浄便座と便器が一体の設計になっていて、それぞれ専用の温水洗浄便座と便器でしか組み合わせができないようになっています。
便器一体型のメリット
便器一体型には、次の3つのメリットがあります。
- すっきりしたデザインになる
- 継ぎ目が少ないので掃除しやすい
- 便器も最新の節水・防汚機能を選べる
すっきりしたデザインになる
便器と便座が一体でデザインされているので、見た目がすっきりして見えます。
一体型には、タンクがついていないタンクレスタイプと、タンクがついているタイプがありますが、いずれも分離型に比べるとスタイリッシュなデザインになります。
タンクレスの代表商品には、以下のようなものがあります。
タンク式には、以下のように手洗いがついているタイプが一般的ですが、手洗い無しもあります。
最近では、タンク式でも、以下のように見た目がタンクレスに見えるデザインのタンク式もあります。(こちらの商品はタンクに手洗いはついていません。)
継ぎ目が少ないので掃除しやすい
便器と一体になっているので、継ぎ目・隙間も少なくなります。
継ぎ目や隙間は汚れが溜まる原因になりますし、掃除するのが面倒な箇所でもありますが、継ぎ目・隙間が少なくなると、拭き掃除の負担を減らせるようになります。
便器も最新の節水・防汚機能を選べる
近年の便器は節水が進んできていて、20年前だと1回の大洗浄で13Lや10Lを使う便器も多くありましたが、近年では5Lや4Lのものもあります。
タンクにペットボトルを入れる節水は、故障やつまりの原因になりますが、最新の便器一体型なら昔に比べると大幅な節水が可能になります。
また、便器表面には各メーカーともに水垢や汚れをつきにくくできる様々な防汚技術が採用されていますが、便器一体型ならそうした最新の防汚機能を選択することもできます。
便器一体型のデメリット
メリットの多い便器一体型ですが、一方でデメリットもあります。
- 値段が高い
- 将来、洗浄便座部分だけの交換をしにくい
- 自分で交換できない(専門業者に取付を依頼する必要がある)
値段が高い
便器と一体になっているので、どうしても値段が高くなってしまいます。
搭載されている機能によりますが、一体型の金額は20万円前後から高いものだと30万円以上するものまであります。
トイレにはあまりお金をかけたくないという方には、一体型は少しハードルが高いかもしれません。
洗浄便座部分だけの交換をしにくい
便器一体型の便器の部分は、陶器製なので10年、20年と使えます。
一方で、洗浄便座の部分は、電気部品なので10年も使うと様々な不具合が出てきますし、不具合のあるまま長く使いすぎると最悪の場合は火災などの事故に至ることもあります。
実際にレストルーム工業会でも、長期使用時の注意喚起がなされています。(参考記事:温水洗浄便座の安全に関して トイレナビ)
一体型だと、便器(陶器)の部分は使えても、電気部品の寿命とともに便器も一緒に交換しなければならないケースがあります。
自分で交換できない(専門業者に取付を依頼する必要がある)
一体型を取り付ける場合、温水洗浄便座の部分だけでなく便器(陶器)の部分も交換が必要になります。
そのため、自分だけで交換するのはほぼ不可能で、専門業者に取付を依頼する必要があります。
ただし、最近では取付工事オプションがあるネットショップにお願いすれば、工事まで含めて安価にトイレを交換してもらえるので、こうしたショップを選択するのもありでしょう。
後付け分離型の温水洗浄便座
分離型は、便座部分だけを購入して、今使っている既設の便器に取り付けられる仕様になっています。
便器の形状によっては稀に取り付けられない場合もありますが、便器の形状・サイズがある程度決まっていてメーカーもそれに合わせて作っているので、取り付かないというケースはほとんどありません。
分離型のメリット
便器一体型には、次の2つのメリットがあります。
- 値段がお手頃
- 便座部分だけを手軽に交換できる
値段がお手頃
一般的に分離型の温水洗浄便座は、一体型に比べると機能を最小限に絞ったものが多く、かつ便座部分だけの値段になるので、一体型よりもお手頃な値段設定になっています。
たとえば、アマゾンで1番人気の以下の便座は、約15,000円で販売されています。
最小限のコストで温水洗浄便座を使いたいという方には、分離型がおすすめです。
便座部分だけを手軽に交換できる
分離型だと、便器を交換する必要がなく、便座部分だけを手軽に交換できます。
そのため、一体型に比べると交換の費用や手間が少なくて済みます。
DIYが多少できる人なら、自分でも取り付けられるレベルです。
さらに詳しく⇒ 温水洗浄便座を自分で取り付ける方法【最短30分】
一体型のところでも書いたように、一般的には便器(陶器)部分に比べると便座部分の方が早く壊れます。
分離型だと、便座部分が壊れたときに、便器部分をそのままにして、そのときの最新分離型に交換できることも大きなメリットでしょう。
分離型のデメリット
分離型のデメリットは、次の2つです。
- ホースが乱雑な見た目になる
- 便器は古いまま使うことになる
ホースが乱雑な見た目になる
分離型の場合、タンクへの給水とは別に、温水洗浄便座への給水ホースを接続する必要があるので、どうしてもホースの見た目が乱雑になります。
しかも、様々な設置条件に対応できるようにホースが長めに設計されているので、なおさら乱雑さが目立ってしまいます。
以下写真の例だと、ホースが収まりきらずに壁にくっついている様子がわかります。
便器は古いまま使うことになる
長年便器を使っていると、便器の表面に水垢や汚れが堆積して、繰り返し掃除をしても汚れが落ちにくくなってきます。
用を足して、流すだけなら問題ありませんが、もっと掃除をラクできるようにしたいと思うなら、便器も一新する必要があるでしょう。
まとめ
便器一体型の温水洗浄便座と、分離型の温水洗浄便座の比較しました。
予算や目的に合わせて、適切なタイプを選択しましょう。
▼▼比較(メリット・デメリット)▼▼
タイプ | 一体型 | 後付け分離型 |
特徴 | 便座と便器で機能やデザインが一体になっているタイプ | 便座単独で交換できるタイプ |
写真 | ||
見た目 | すっきりしたデザインになる
継ぎ目が少ないので掃除しやすい |
便器は古いまま使うことになる |
機能 | 一般的に機能が豊富で、便器も最新の節水・防汚機能を選べる | ホースが乱雑な見た目になる |
価格 | 高い(20万円~、30万円以上するものもある) | 安い(最安価だと1.5万円から) |
故障時 | 将来、洗浄便座部分だけを交換できずに便器ごと交換になる可能性がある(専門業者でないと交換が難しい) | 便座部分だけを手軽に交換できる(自分でも交換可能) |