太陽光は東向き・西向き・北側でも平気？方角と効率解説

太陽光発電の導入で失敗や後悔をしないためには、パネルを設置する方角や角度が発電効率にどう影響するかを理解することが大切です。ご自宅の屋根が理想とされる南向きでない場合、太陽光パネルを東向きや西向き、あるいは北側に設置すると発電量や売電による収入がどう変わるのか、不安に感じますよね。

この記事では、専門的なシミュレーション結果を基に、各方角のメリットやデメリットを詳しく解説します。さらに、気になる費用やローン、節約の仕組み、活用できる補助金、そして自家消費や停電時におけるメリットについても触れながら、信頼できる業者の選び方まで、あなたの疑問に全てお答えします。

太陽光パネルの最適角度は？

太陽光パネルの発電効率を最大限に引き出すためには、設置する角度が鍵となります。一般的に、日本国内におけるソーラーパネルの最適な傾斜角度は「30度」前後とされています。

この角度が理想とされる理由は、年間を通じて太陽の光を最も効率的にパネル面で受けられるためです。太陽の高さは季節によって変動します。夏は太陽が高く昇り、冬は低くなるため、本来であれば季節ごとに角度を調整するのが最も効率的です。例えば東京の場合、夏至の頃は限りなく水平に近い角度が、冬至の頃には60度を超える角度が最適となります。

しかし、住宅用の太陽光発電システムで角度を自動調整する仕組みは一般的ではありません。そのため、一年間の総発電量が最大になる「年間最適傾斜角」で設置するのが現実的な方法です。この角度が、多くの地域で30度前後というわけです。

ただし、最適な角度は地域によって少しずつ異なります。緯度が高い北海道のような地域では35度前後が理想的である一方、緯度が低い沖縄では20度を下回る角度が最適になることもあります。日本の住宅で一般的な4寸から6寸の屋根勾配（約21.8度～31度）は、多くの地域でこの最適角度に近いため、効率的な発電が期待できます。

太陽光パネルのベストな方角は？

太陽光パネルを設置する上で、角度と並んで発電量を大きく左右するのが方角です。最も効率よく発電できるベストな方角は「真南」です。

なぜなら、日本が位置する北半球では、太陽は東から昇り、南の空を通って西へと沈んでいくからです。パネルを真南に向けることで、太陽が高い位置にある時間帯を中心に、一日を通してまんべんなく、そして最も強く太陽光を受けることができます。

南向きに設置した場合の発電量を100%とすると、他の方角の発電量はおおよそ以下のようになります。

設置方角	発電量の目安（南向きを100%とした場合）
真南	100%
南東・南西	約95%
真東・真西	約85%
北	約65%

このように、南東や南西向きであれば、南向きと比べても発電量の低下はごくわずかです。一方で、真東や真西になると発電量は少し下がり、北向きになると大きく低下する傾向が見られます。このため、一般的には南向きの屋根への設置が最も推奨されます。

方角を東向きにするメリット・デメリット

ご自宅の屋根が南向きでない場合でも、太陽光発電の導入を諦める必要はありません。東向きの屋根にも、特有のメリットとデメリットが存在します。

メリット

東向きに太陽光パネルを設置する最大のメリットは、朝の発電量が多くなることです。太陽は東から昇るため、午前中の早い時間帯から効率よく発電を開始します。

これは、午前中に電力消費量が多いご家庭にとって大きな利点となります。例えば、朝のうちに洗濯や掃除、調理といった家事を済ませるライフスタイルの場合、発電した電気をそのまま自家消費に充てることができます。電力会社から電気を買う量を減らせるため、電気代の節約効果が高まります。

デメリット

一方、東向き設置のデメリットは、午後になると発電量が大きく低下してしまう点です。太陽が西に傾くにつれて、パネルに当たる光が弱くなるため、夕方にかけての発電はあまり期待できません。

また、年間の総発電量で比較すると、やはり南向きに比べて約10%～15%少なくなります。シミュレーションによると、香川県高松市で東向きに5.44kWのパネルを設置した場合、年間の発電量は5,960kWhとなり、これは南向きに比べて約14%低い数値です。売電収入や長期的な経済効果を考える上では、この差を理解しておく必要があります。

方角を西向きにするメリット・デメリット

東向きと同様に、西向きの屋根への設置にも、ご家庭のライフスタイルに合致するメリットがあります。

メリット

西向きに太陽光パネルを設置するメリットは、午後の発電量が多くなることです。特に、日没に向かう夕方の時間帯に発電のピークを迎えます。

これは、日中は仕事などで外出しており、夕方から夜にかけて電力使用量が増えるご家庭に最適です。例えば、夕方に帰宅してからエアコンを使用したり、夕食の準備や入浴をしたりする際、発電したての電気を使うことができます。夏の電力需要が高まる時間帯のピークカットにも貢献し、効率的に電気代を節約することが可能です。

デメリット

西向き設置のデメリットは、午前中の発電量が少なくなることです。朝の時間帯に電力を多く使うご家庭には、あまり向いていないかもしれません。

年間の総発電量については、東向きの場合と同様に、南向きと比較して約10%～15%少なくなります。徳島県徳島市でのシミュレーションでは、西向きに5.44kWのパネルを設置した場合の年間発電量は6,087kWhでした。これは東向きよりはわずかに多いものの、南向きに比べると約12%低い結果です。日中の売電量が少なくなるため、収入面での影響も考慮に入れる必要があります。

方角を北向きにするメリット・デメリット

一般的に太陽光発電には不向きとされる北向きですが、条件次第では設置を検討する価値があるケースも存在します。

メリット

北向きに設置するメリットは、南・東・西向きに屋根がない、あるいは設置スペースが限られている住宅でも、太陽光発電を導入できる可能性があるという点です。

また、屋根の傾斜が10度程度と非常に緩やかな場合、太陽高度が高い夏場にはある程度の発電量が期待できます。最新の高効率パネルを選んだり、蓄電池を併用して発電した電気を無駄なく活用したりすることで、デメリットをある程度補うことも考えられます。

デメリット

しかし、北向き設置には多くのデメリットと注意点が存在します。最大のデメリットは、発電効率が著しく低いことです。南向きの60%～70%程度まで発電量が落ち込み、特に太陽高度が低い冬場はほとんど発電しない可能性もあります。

さらに、パネルの角度によっては太陽光が地上方向に反射し、近隣住宅への反射光トラブルを引き起こすリスクがあります。これを避けるための架台設置は、追加の費用負担につながります。多くのパネルメーカーでは北向き設置を推奨しておらず、メーカー保証の対象外となる場合がある点も、十分に注意しなければならないポイントです。高知県高知市でのシミュレーションでは、傾斜10度の屋根に北向き設置した場合でも年間約15.9万円の電気代削減効果が見込まれましたが、これはあくまで特定の条件下での話であり、導入は慎重に判断する必要があります。

弊社がご案内する太陽光発電の特徴

弊社では、お客様一人ひとりのご家庭に最適な太陽光発電プランをご提案しています。私たちが大切にしているのは、お客様に経済的なメリットを実感していただくことです。

そのため、ご家庭の屋根の方角や形状、電力使用量を詳細に分析し、経済効果が見込めない場合にはご案内いたしません。安心してご相談ください。

ご提案の際には、初期費用0円、新たな家計負担0円で始められるプランもご用意しています。これは、太陽光発電によって削減される光熱費や売電収入の範囲内で導入できる仕組みです。

また、PanasonicやMITSUBISHI ELECTRICといった信頼性の高い国内メーカーの機器を取り扱っており、全ての機器にメーカー保証が付いています。機器の保証はもちろん、設置後のアフター体制も充実させておりますので、長期にわたって安心してお使いいただけます。

太陽光発電だけでなく、ガス代を大幅に削減できるエコキュートや、停電時にも電気が使える家庭用蓄電池と組み合わせることで、さらなる光熱費削減と災害への備えを実現できます。無料のシミュレーションで、あなたの暮らしがどのように変わるか、ぜひ一度お確かめください。

よくある質問

まとめ：太陽光発電を導入する際は方角に注意しよう

今回は、太陽光パネルを設置する際の方角による発電量の違いや、それぞれのメリット・デメリットについて解説しました。

• **最適な方角は「真南」**であり、一日を通して最も効率よく発電できます。
• 東向きは朝の発電量が多く、午前中に電気を多く使う家庭に適しています。
• 西向きは午後の発電量が多く、夕方以降に電気を多く使う家庭でメリットが大きいです。
• 北向きは発電効率が大幅に低下し、反射光トラブルなどの注意点もあるため、導入は慎重な検討が必要です。

このように、ご自宅の屋根が南向きでなくても、ライフスタイルに合わせて方角を選ぶことで、太陽光発電のメリットを十分に享受できる可能性があります。大切なのは、ご自身の家庭にとってどの設置方法が最も経済的メリットをもたらすかを、導入前に正確に把握することです。

最適なプランを見つけるためには、専門の業者による詳細なシミュレーションが不可欠です。弊社では、お客様の状況に合わせた最適なご提案を無料で行っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。