※「ウォシュレット」はTOTO社の登録商標です。本記事の一部で使われる「ウォシュレット」は、一般的な温水洗浄便座の意味で使用しています。
ウォシュレット(温水洗浄便座)には、さまざまな機能が搭載されています。
シャワー洗浄機能、温風機能、脱臭機能のほか、自動で便座が開いたり閉じたりする機能などがあります。
この記事では、業界15年以上のプロが、温水洗浄便座に搭載されている主要機能、おすすめな人、機能ごとの価格相場について解説していきます。
温水洗浄便座:基本機能
温水洗浄便座の基本的な機能として搭載されているのが、シャワー洗浄機能、暖房便座機能、抗菌機能、節電機能です。
- シャワー洗浄機能
- 暖房便座機能
- 抗菌機能
- 節電機能
シャワー洗浄機能
シャワー洗浄機能には、大きくおしりを洗うためのおしり洗浄機能と、女性の局部を洗うためのビデ洗浄機能があります。
温水洗浄便座の基本機能として、どのような商品でも必ずこの2つのシャワー洗浄機能が搭載されています。
高機能なモデルになると、シャワーの水の出方のバリエーションを変えられたり、マッサージ機能(シャワー洗浄の強弱を繰り返す機能)がついたりします。
なお、マッサージ機能に関しては、当社が実施したアンケートによると、実際にマッサージ機能を使っていると答えた人は100人中9人でした。
なお、ビデ洗浄に関しては、以下の記事に詳細を書いていますので、あわせてご覧ください。
暖房便座機能
便座面が暖かくなる機能です。
特に冬場に重宝する機能で、基本的には全ての温水洗浄便座に暖房便座機能が搭載されています。
抗菌機能
抗菌機能とは、菌の増殖を抑制する加工のことで、主には、便座、リモコン、ノズルなど、人が触れる箇所に抗菌加工されています。
抗菌は、あくまで付着した菌の増殖を抑えるものなので、菌をなくす滅菌や、菌を取り除く除菌とは異なることに留意する必要があります。
ノズルそうじ機能
ノズル掃除機能とは、掃除のためにノズルが出てくる機能のことです。
ノズルは、温水洗浄便座の中でも汚れが気になる部位ですが、ノズル掃除機能があるとノズルの汚れた部分を手で手軽に掃除できるようになります。
節電機能
節電機能とは、電力消費をおさえるための機能です。
温水洗浄便座の中でも、定常的に電気を使う機能として、暖房便座やタンクの加熱装置(貯湯式便座の場合)がありますが、節電機能のある温水洗浄便座だと、そうした加熱装置の動きを一時的に止めるられるようになっています。
節電機能の中には、使っていないときに自動で温度を下げる機能や、ボタンを押すことで一定の間、暖房便座やタンクへの電源供給を切ってしまう機能などがあります。
温水洗浄便座:ベーシックなオプション機能
比較的ベーシックなモデルにオプションで搭載されている機能として、脱臭機能と乾燥機能があります。
- 脱臭機能
- 乾燥機能
脱臭機能
脱臭機能とは、脱臭用のファンが便器内の臭いを吸い込み、活性炭などのフィルターを通して脱臭する機能のことです。
脱臭フィルターは消耗品なので交換する必要があります。
脱臭機能あり・なしの価格差は、実勢価格ベースで約3,000円~4,000円程度になっています。(販売店によって異なります)
脱臭機能はこんな人におすすめ
- 排便直後の臭いが気になる方
- 複数の家族でトイレを使っている方
なお、当社が実施したアンケートによると、脱臭機能を使っていると回答した人は100人中52人でした。
脱臭フィルターにホコリが詰まると、脱臭機能が正常に機能しなくなるので、定期的にメンテナンスする必要があります。
ある商品では、以下のように脱臭カートリッジのフィルターを定期的に清掃することをおすすめしています。
また、脱臭カートリッジには寿命(7年程度)があるのでご注意ください。
脱臭カートリッジは、アマゾンなどのECサイトで購入できます。
TOTO社製品の脱臭カートリッジ例
LIXIL社製品の脱臭カートリッジ例
脱臭機能の詳細については、以下の記事に書いているので、あわせてご覧ください。
乾燥機能
温水洗浄の後に局部を温風で乾かす機能です。
ヘアドライヤーと同様に、風を送り出すファンと電熱線ヒーターが内蔵されていて、スイッチを押すと温かい風がでてきます。
市販されているタイプでよく見られるものだと、風の温度を切(送風のみ)から何段階か変更できるようになっています。
乾燥機能あり・なしの価格差は、実勢価格ベースで約8,000円~12,000円程度になっています。(販売店によって異なります)
乾燥機能はこんな人におすすめ
- 洗浄後に局部をさっぱりさせたい方
- トイレットペーパーを節約したい方
- 痔や腰痛などの理由でトイレットペーパーの使用に不便を感じている方
なお、当社が実施したアンケートによると、乾燥機能を使っていると回答した人は100人中11人という結果でした。
現在市販されている温水洗浄便座の乾燥機能については、必ずしもよい評判ばかりではありません。
乾燥機能の実態については、以下の記事に書きましたので、あわせてご覧ください。
温水洗浄便座:高付加価値のオプション機能
ここからは、温水洗浄便座の機能の中でも、高付加価値な商品についているオプション機能を紹介します。
- 便座・便フタ自動開閉機能
- 便器自動洗浄機能
- 夜間ライト機能
便座・便フタ自動開閉機能
人が便座の前に立つと、センサーが人を検知して、自動で便フタや便座が開く機能です。
設定によって便フタだけが開くパターンと、便フタと便座の両方が開くパターンに変えられます。
また、センサーだけでなく、リモコン操作でも開閉できるようにしてあるのが一般的です。
自動開閉あり・なしの価格差は、実勢価格ベースで約20,000円~30,000円程度になっています。(販売店によって異なります)
自動開閉機能はこんな人におすすめ
- 便座や便フタに手を触れたくない方
- 便座や便フタを開けたり閉めたりするのが面倒だと思う方
自動開閉機能は、多くが高額な便器一体型で見られる機能ですが、一部の後付け分離型にも搭載されている機能です。
便器自動洗浄機能
便器自動洗浄機能は、人が用を足した後に立ち上がると便器を自動で洗浄してくれる機能です。
便座についているセンサーが、人の着座状態を検知することによって動いています。
自動洗浄あり・なしの価格差は、実勢価格ベースで約10,000円~15,000円程度になっています。(販売店によって異なります)
自動洗浄機能はこんな人におすすめ
- 便器洗浄をするのが煩わしい方
- トイレの流し忘れを防ぎたい方
一般的には、便器の洗浄機能と連動できる便器一体型の温水洗浄便座で見られる機能ですが、後付け分離型にも搭載されています。
後付け分離型で自動洗浄機能を使う場合は、タンクに自動洗浄用の装置を別途取り付ける必要があります。
たとえば、以下の機種だと、後付け分離型とセットで自動洗浄用の装置も同梱されています。
夜間ライト機能
便器に必要最小限の明かりを灯すことで、トイレの電気をつけなくても用を足せるようにするための機能です。
夜中にトイレに入ったときに、トイレの電気をつけると目が覚めて寝付けなくなってしまう。
そんなときに、夜間ライトの機能が役立ちます。
夜間ライトは、便フタの開閉に連動しているものが多く、一般的には自動開閉機能がついているものに搭載されている機能です。
その他の機能
その他にも、汚れが溜まりやすい便器と便座の間をラクに掃除できる機能や、便器にミストを噴射して便器に汚れがつきにくくする機能などがあります。
メーカーによって細かく差別化を図っている部分でもあるので、詳しくは各メーカーの商品仕様をご覧ください。
まとめ
以上、温水洗浄便座の主な機能に関する解説でした。
基本的に機能がたくさんあるほど高価になるので、予算とニーズに合わせて選択することをおすすめします。