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ウォシュレットは痔に悪影響?【おすすめの便座は?】

中山 裕司

痔の悩みがあると、毎日のトイレはつらい時間になりがちです。

特に、温水洗浄便座を使うべきか、それとも使用を控えるべきか、判断に迷う方も多いのではないでしょうか。

切れ痔などの症状があると、シャワーが当たって痛いと感じることもあり、かえって悪化させてしまうのではないかと心配になるかもしれません。

しかし、温水洗浄便座は、使い方を間違えなければ、患部を清潔に保ち、トイレットペーパーによる摩擦を減らせる心強い味方になります。

この記事では、痔の症状を悪化させないための温水洗浄便座の正しい使い方から、お尻に優しい製品まで、詳しく解説していきます。

※「ウォシュレット」はTOTO社の登録商標です。本記事の一部で使われる「ウォシュレット」は、一般的な温水洗浄便座の意味で使用しています。

痔は温水洗浄便座で痛んだり、悪化したりするのか?

温水洗浄便座は、肛門周りを清潔に保ち、トイレットペーパーによる刺激を軽減できるメリットがあります。

そのため、正しく使えば痔の改善に役立つと考えられています。

かつて医療現場では、痔の患者さんに対して、お湯を張ったたらいにお尻をつける「座浴」を指導することがありました。

温水洗浄便座は、この座浴を手軽に行える便利な道具と言えるでしょう。

一方で、使い方を誤ると症状を悪化させる可能性も指摘されています。

たとえば、強い水圧で長時間洗浄を続けると、皮膚を守るために必要な皮脂膜まで洗い流してしまいます。

これにより皮膚のバリア機能が低下し、かゆみや炎症を引き起こす「温水洗浄便座症候群」と呼ばれる状態になることがあります。

また、切れ痔の場合は強い水圧が直接患部を刺激し、痛みを誘発するケースも少なくありません。

洗浄しないとスッキリしないといった心理的な依存が生じ、かえって自然な排便リズムを乱してしまう可能性も考えられます。

このように、温水洗浄便座は便利な反面、使い方には注意が必要なのです。

【NG行動】やってはいけない3つの使い方

温水洗浄便座のメリットを最大限に活かし、痔の悪化を防ぐためには、避けるべき使い方がいくつかあります。

ここでは、特に注意したい3つのNG行動について解説します。

強すぎる水圧での洗浄

一つ目は、強すぎる水圧での洗浄です。

便通を促す目的で肛門を強く刺激する方もいるようですが、これはおすすめできません。

強い刺激に慣れてしまうと、自然な便意を感じにくくなる可能性があります。

切れ痔の方は痛みを感じやすいだけでなく、患部を傷つけることにもなりかねません。

長すぎる洗浄時間

二つ目は、長すぎる洗浄時間です。

清潔にしたいという思いから、つい長く洗いすぎてしまうことがありますが、これも逆効果です。

前述の通り、洗いすぎは皮膚のバリア機能を持つ皮脂膜を剥がしてしまい、かゆみやただれの原因となります。

洗浄はあくまで汚れを軽く洗い流すためのものと心得ましょう。

洗浄後にゴシゴシと強く拭くこと

三つ目は、洗浄後にゴシゴシと強く拭くことです。

水分を拭き取ろうとしてトイレットペーパーで強くこすると、摩擦で肛門周りのデリケートな皮膚を傷つけてしまいます。

せっかく洗浄で刺激を避けたのに、最後の拭き取りで悪化させては意味がありません。

痔の人が温水洗浄便座と上手に付き合うための鉄則

それでは、痔の症状がある方は、どのように温水洗浄便座を使えば良いのでしょうか。

ここでは、上手に付き合うための基本的なルールをご紹介します。

水圧は「弱」に設定する

まず、水圧は「弱」に設定することから始めましょう。

物足りなく感じるかもしれませんが、デリケートな患部には弱い水流で十分です。

慣れてきた場合でも、自分が心地よいと感じる範囲で、少しずつ調整するのが賢明です。

水温は人肌に近い37~38℃程度にする

次に、水温は人肌に近い37~38℃程度のぬるま湯に設定してください。

熱すぎるお湯は刺激になりますし、冷たい水は血行を悪くする可能性があります。

洗浄時間は10秒から20秒程度を目安に、短時間で済ませることを心がけてください。

汚れを落とすのに、それほど長い時間は必要ありません。

そして、洗浄後はトイレットペーパーを優しく押し当てるようにして、水分を吸い取るように拭き取ります。

乾燥機能が付いている場合は、そちらを利用するのも良い方法です。

【実際に調査】痔の人は温水洗浄便座をどのように使っている?

実際に痔を患っている方々は、トイレでどのような配慮をしているのでしょうか。

切れ痔の症状がある方からは、「便意が強くなるまでトイレに座らない」「無理にいきまない」といった、排便そのものへの配慮が多く聞かれました。

温水洗浄便座については、「シャワーを直接患部に当てないように工夫している」「洗浄後は乾燥機能を使い、トイレットペーパーは極力使わない」といった声がありました。

一方、いぼ痔(特に外痔核)の方は、患部への物理的な刺激を避けることを強く意識しているようです。

「温水洗浄便座で洗浄した後、トイレットペーパーで拭くのではなく、軽く当てて水分を吸い取るだけにする」「拭く回数をとにかく減らす」といった回答が目立ちました。

これらの声から、痔の種類にかかわらず、多くの方が「いかに刺激を少なくするか」を重視して温水洗浄便座を活用していることがうかがえます。

参考:【痔の人に調査】ウォシュレットをどのように使っているか?

お尻に優しい温水洗浄便座の選び方

痔の悩みを軽減するためには、日々の使い方だけでなく、使用する温水洗浄便座の機能にも目を向けることが大切です。

ここでは、お尻に優しい製品を選ぶための3つのポイントを解説します。

水流の調整機能

まず確認したいのが、水流の調整機能です。

水圧の強弱を細かく設定できるモデルを選びましょう。多くの製品で3段階から5段階程度の調整が可能です。

また、水流の出方も重要なポイントです。

直線的な強い水流だけでなく、空気を混ぜて柔らかい水流を作り出す機能や、広範囲を優しく洗えるワイド洗浄機能などを搭載した機種もあります。

デリケートな状態の時には、こうした優しい水流が大きな助けとなります。

乾燥機能の有無と性能

次に注目すべきは、温風乾燥機能です。

この機能があれば、洗浄後にトイレットペーパーで拭く必要がなくなり、摩擦による刺激を根本からなくすことができます。

痔に悩む方にとって、非常に有効な機能と言えるでしょう。

ただし、従来の乾燥機能は「風が弱くて乾くまでに時間がかかる」という理由で、あまり使われていないという実態もありました。

そのため、選ぶ際には乾燥機能の性能をしっかりと確認することが求められます。風量の調整段階が多いものや、パワフルな温風で短時間で乾かせるモデルが理想的です。

温度設定も複数段階から選べると、より快適に使用できます。

紙で拭くという「最後の刺激」を軽減できるか?

最終的に、痔に悩む方にとって最も理想的な温水洗浄便座は、「洗浄から乾燥まで、トイレットペーパーを使わずに完結できる」製品です。

水流調整機能で優しく洗い上げ、高性能な乾燥機能でしっかりと乾かすことができれば、「拭く」という行為そのものをなくせます。

この「触れずにキレイ」が実現できれば、排便のたびに感じていた痛みや不快感といった物理的な刺激を最小限に抑えることが可能になります。

製品を選ぶ際には、この一連の流れを快適に行えるかどうかを一つの基準にしてみてください。

“触れずに乾かす” xtrmという選択肢

近年、高性能な乾燥機能に特化した新しいタイプの温水洗浄便座も登場しています。

その一つが、「xtrm(エクストリーム)」という製品です。

ここでは、この製品が持つ特徴についてご紹介します。

xtrmの優しい洗浄と、刺激ゼロの温風乾燥

xtrmの最大の特徴は、特許技術を用いた強力な温風乾燥機能です。

最短30秒という短時間で乾燥できます。

これは、高速モーターと、お尻の形状に合わせて効率的に温風を送るダクト構造によって実現されているようです。

風量は6段階、温風の温度は常温を含む5段階で細かく調整できるため、利用者の好みやその日の体調に合わせた快適な設定が可能です。

さらに、温風には遠赤外線やマイナスイオンが含まれているとされており、ただ乾かすだけでなく、質の高い快適性も追求しています。

この強力かつ快適な乾燥機能により、トイレットペーパーを使わずに「触れずに乾かす」という理想的なケアが現実のものとなります。

xtrmのその他のこだわり

xtrmは乾燥機能だけでなく、洗浄機能や清潔性にも配慮が見られます。

洗浄シャワーは使う瞬間だけお湯を作る瞬間給湯式のため省エネで、お湯が切れる心配もありません。

また、便座やノズルには抗菌樹脂が採用されており、便座本体もワンタッチで着脱できるため、便器との隙間など、汚れやすい部分の掃除が簡単に行えます。

美しさと使いやすさを両立したデザインも魅力の一つです。

ほとんどのメーカーの便器に後付けで設置可能とされており、大掛かりな工事なしで最新のトイレ環境を手に入れることができます。

まとめ:最適な機種選びでトイレの悩みを解消しましょう

この記事では、痔と温水洗浄便座の関係について、正しい使い方から製品の選び方までを解説しました。

温水洗浄便座は、使い方次第で痔の悩みを和らげる味方にも、逆に悪化させる原因にもなり得ます。

大切なのは、自分の症状を理解し、お尻に負担をかけない使い方を徹底することです。

温水洗浄便座と上手に付き合うポイント

  • 水圧は「弱」で、時間は「10~20秒」を目安にする
  • 水温は「人肌程度のぬるま湯」に設定する
  • 洗浄後は「優しく押し拭き」するか、「乾燥機能」を活用する
  • 排便促進など、本来の目的以外での使用は避ける

そして、日々のケアをより快適にするためには、製品選びも鍵となります。

特に、水流を細かく調整できる機能や、トイレットペーパーによる刺激をなくせる高性能な乾燥機能は、痔に悩む方にとって大きな助けとなるでしょう。

参考記事:

https://www.sanitary-net.com/faq/answer684

https://www.sanitary-net.com/interview/interview03.html

この記事を書いた人
中山裕司
中山裕司
株式会社Water X Technologies代表取締役。元住宅設備メーカーの設計者で、水回り業界に20年以上携わる水回り製品のプロです。ご質問やお困りごとがあれば、お気軽にお問い合わせください。⇒お問い合わせはこちらから
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