※「ウォシュレット」はTOTO社の登録商標です。本記事の一部で使われる「ウォシュレット」は、一般的な温水洗浄便座の意味で使用しています。
電源不要の洗浄便座とは、文字通り電源コンセントを必要としない洗浄便座で、水道管に接続するだけで使えるものです。
たとえば、Amazonだと以下の商品が人気です。
日本ではあまり普及してませんが、東南アジアでは広く普及しています。
特にインドネシアでは、ショッピングモールの公共トイレにも電源不要の洗浄便座が普及しています。
インドネシアも最近ウォシュレットが普及しはじめているみたい!!
ノズルを捻ると日本のウォシュレットと機能はなんら変わりなく使えるからホントウォシュレットないとトイレ無理な人はインドネシアも今後大丈夫では(まだ全体ではない) pic.twitter.com/vdayUOcz88— ミスタァ (@Misterillust) September 14, 2019
便座と一体になったタイプではなく、既設の便器と便座の間に挟み込んで機能するタイプもあります。
電源不要の洗浄便座の仕組み
電源不要の洗浄便座は、シャワーノズルを水圧の力で押し出すので、電気を必要としません。
たとえば、こちらの商品を見てましょう。
中身を開けるとこのようになっています。
主には、便座と便フタを静かに閉めるためのダンパー、シャワー洗浄のためのノズル、水を止めたり通したりするためのバルブです。
▼電源不要タイプの部品▼
電気式の温水洗浄便座が、以下のように多数の電気部品に囲まれているのとは対照的であることがわかります。
▼電源タイプの部品▼
電源不要の洗浄便座の使い方
使い方はとてもシンプルです。
便座の横についているスイッチを回すと、水道管から供給された水の水圧でノズルが押し出されて、局部を洗浄してくれます。
ノズルは通常2本ついています。
電気式の温水洗浄便座だと、ノズルが1本でも電気モーターで位置を調整できます。
しかし、電源不要のタイプは、細かい調整ができないので、おしり用とビデ用のノズルがそれぞれ独立しているのです。
先ほどのスイッチを一方に回すとおしり洗浄ができ、逆方向に回すとビデ洗浄ができるようになっています。
電源不要の洗浄便座:メリット
電源不要の洗浄便座と、電気式の温水洗浄便座を比較したメリットです。
- 水道にさえ接続できれば使える
- 電気式に比べて安く買える
- 故障のリスクが低い
水道にさえ接続できれば使える
文字通り電源不要なので、水道にさえ接続できれば使えます。
「電気を通すのが難しい場所でもおしりを洗いたい!」というときに使えるのが魅力です。
電気式に比べて安く買える
電気式の温水洗浄便座に比べると、電源不要の洗浄便座は構造が極めて単純で部品が少ないので、その分だけ安価に買えます。
先ほど紹介したAmazonのベストセラーを見ると、値段は10,000円を切っています。
電気式の温水洗浄便座だと、どれだけ安くても15,000円はするので、電源不要のタイプがどれだけ安いかがわかるかと思います。
故障のリスクが低い
部品が少なくて、構造が単純ということは、それだけ故障のリスクも少なくなります。
電気式の温水洗浄便座の故障には、電気部品に起因するものも多いので、電気部品がない電源不要のタイプだと、その分だけ故障する部品が少ないことを意味します。
電源不要の洗浄便座:メリット
電源不要の洗浄便座と、電気式の温水洗浄便座を比較したデメリットです。
- シャワーと便座が温かくない
- 細かい付加機能がついていない
シャワーと便座が温かくない
電気を使わないので、シャワーも便座も温かくなりません。
夏場は問題ないですが、冬場に使うと辛さを感じてしまうかもしれません。
細かい付加機能がついていない
電気式の温水洗浄便座には、温風乾燥機能や脱臭機能など様々な付加機能があります。
付加機能のほとんどは電気によって動くものなので、電源不要の洗浄便座には搭載できないものばかりです。
そのため、電源不要のタイプは、局部を水で洗えさえればよいという方に向けた商品になっています。
関連記事:ウォシュレットを機能で選ぶ
電源不要の洗浄便座:用途・おすすめの人
以上のメリット、デメリットを踏まえて、電源不要の洗浄便座の用途・おすすめの人は主に2種類あります。
- 電気が使えないトイレで使う
- 海外のトイレで使う
電気が使えないトイレで使う
トイレの設計上、どうしても電源が使えないときがあります。
代表的な例が、古いタイプのユニットバスです。
こうした場所では、洗浄機能のない便座が使われますが、「どうしても洗浄機能を使いたい」ときには、電源不要タイプを設置することになります。
海外のトイレで使う
海外だと、トイレの横に電源がない家も多くあります。
電源工事をするとお金も手間もかかるので、手っ取り早く洗浄機能を使いという方は、電源不要タイプを選ぶのがよいでしょう。
また、国ごとに規格が様々なので、日本の電気式の温水洗浄便座がそのまま使えない国も多くあります。
そうした国でも、電源不要のタイプは1つの選択肢になるでしょう。
なお、Amazonで購入した商品は海外にも届けられるので、Amazonで買って届けてもらうのも一案です。
電源不要の洗浄便座:取り付け方法
電源不要の洗浄便座の取り付け方法は、基本的に電気式の温水洗浄便座の取付方法と変わりありません。
電気式と比べると不要になるのは、電源コンセントとアースの接続くらいです。
工具は、プラスドライバー、マイナスドライバー、モンキレンチがあれば対応可能です。
既設の便座を外したら、元栓に分岐栓(水道をタンク側と便座側に分岐させる栓)を取り付け、便座固定用の部品を取り付け、給水用のホースを接続するだけです。
詳細は、各メーカーの製品に同梱されている取付手順をご覧ください。
まとめ
電源不要の洗浄便座についての解説でした。
メリット
- 水道にさえ接続できれば使える
- 電気式に比べて安く買える
- 故障のリスクが低い
デメリット
- シャワーと便座が温かくない
- 細かい付加機能がついていない
- 電気が使えないトイレで使う
- 海外のトイレで使う