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豆知識

ウォシュレットを英語や中国語で言うと?【便座のプロが解説】

温水洗浄便座を英語や中国語では何と言う?

※「ウォシュレット」はTOTO社の登録商標です。本記事の一部で使われる「ウォシュレット」は、一般的な温水洗浄便座の意味で使用しています。

外国人に英語でウォシュレット(温水洗浄便座)の説明をしたいけど、そもそも温水洗浄便座って英語で何と言うのだろう?

こんな疑問をお持ちの方もいるかと思います。

この記事では、世界の温水洗浄便座を開発してきた便座開発のプロが、温水洗浄便座の英語名称について解説していきます。

商品名称はほとんど通じない

日本で一般的に使われている名称をそのまま英語にしても、ほとんど通じません。

  • ウォシュレット(TOTOの商品名):Washlet
  • シャワートイレ(LIXILの商品名):Shower Toilet

WashletはWashとToiletを組み合わせた和製英語です。

Shower Toiletだと、トイレとお風呂が同じ部屋にある海外では、お風呂のシャワーがイメージされることもあり、温水洗浄便座を想起してもらえません。

温水洗浄便座でよく使われる英語表記

温水洗浄便座の英語表記でよく使われるのは「Bidet Seat」です。

Bidetとは、欧州の一部地域を中心に発展した局部洗浄装置であるビデのことです。

以下の写真のように、ビデはトイレに併設して設置されます。

欧州を中心に発展したビデ

この局部洗浄装置が便座に内蔵されていることから、便座を意味する「Seat」と組み合わせて、温水洗浄便座のことを「Bidet Seat」と呼んでいるのです。

「Bidet Seat」に派生して、以下のような呼び方もあります。

  • Electric Bidet Seat (電気で動くことからElectricをつける)
  • Bidet Toilet Seat (トイレで使うシートなのでToiletをつける)

アメリカで温水洗浄便座を販売している大手メーカー各社の説明を見ても、「Bidet Seat」、「Electric Bidet Seat」、「Bidet Toilet Seat」のいずれか1つまたは複数が、温水洗浄便座を表す一般名称として使われています。

私の業務経験では、Electricの部分を略して「E-Bidet」とか、「E-Bidet Seat」などと呼ばれることもありました。

他には、以下のような呼び方もありました。

  • Smart Seat (賢い便座という意味)
  • Advanced Seat (先進的な便座という意味)

ただし、これらの表現だと局部を洗浄する意味合いが含まれないので、通じない可能性もあります。

なお、温水洗浄便座には、便器と一体になっている一体型と、便器に後付けできる分離型があります。(詳しくは以下の記事をご覧ください)

後付けタイプは、先ほどの解説のように「Bidet Seat」等でよいのですが、一体型だと温水洗浄便座機能がついた便器・トイレなので、次のような呼び方があります。

  • Integrated Bidet Toilet (統合されたビデ付きトイレという意味)
  • Intelligent Toilet (知的なトイレという意味)
  • Smart Toilet (賢いトイレという意味)

とはいえ、多くの人は後付けタイプかトイレ一体型かまでは細かく考えないでしょうから、「Bidet Seat」と言っておけば、通じる可能性は高いでしょう。

さらに詳しく⇒ 温水洗浄便座【一体型と後付分離型の違い】

地域によっては商品の概念自体が通じないことも

最近は、世界でも温水洗浄便座の認知度が高まっていて、特に欧米やアジアでは温水洗浄便座という商品があること自体を知っている人は増えています。

しかし、地域によっては温水洗浄便座自体を知らない人も多いので、先ほどの英語を言っても通じないケースがあります。

その場合は、どのような商品なのか?具体的に説明してあげる必要があるでしょう。

温水洗浄便座でよく使われる中国語表記

中国では長らく一般名称が固定されずいましたが、近年では後付けタイプについては「智能马桶盖」(知的なトイレのフタという意味)が使われています

他には、「智能电子盖板」(知的な電気式の便フタという意味)や、単に「电子盖板」(電気式のフタという意味)と表現することもあります。

便器と一体になっている一体型は、「智能马桶」(知的なトイレという意味)とか、「智能马桶一体式」(知的なトイレ一体型という意味)などが使われています

中国の温水洗浄便座の普及率は3%弱(2019年現在)ですが、製品自体の認知度は100%に近くなっているので、これらの単語を使えば温水洗浄便座の意味する言葉としてほぼ通じます。

まとめ

以上、温水洗浄便座を英語で表現する場合の解説でした。

  • 温水洗浄便座を英語にするときに、ウォシュレットやシャワートイレなど、商品名そのままだと通じにくい。
  • 英語で表現するなら「Bidet Seat」がベター。もう少し丁寧に説明するなら「Electric Bidet Seat」や「Bidet Toilet Seat」などでもよい。
  • 中国語だと「智能马桶盖」や「智能马桶」などで通じる。
ABOUT ME
中山 裕司
元住宅設備メーカーのトイレ設計者で、トイレ業界に20年携わる便器・温水洗浄便座のプロです。トイレに関するご質問やお困りごとがあれば、お気軽にお問い合わせください。>>メールはこちら >>公式Lineはこちら