トイレでゴボゴボ音が鳴るのは、サイホン現象が起きているからです。
このサイホン現象が過剰に起きると、ゴボゴボ音が長く続きます。
- 排水管の途中が閉塞していてサイホン現象が起きるから
- 排水管が急に屈曲していてサイホン現象が起きるから
- 縦に伸びた排水管でサイホン現象が起きるから(2階以上のトイレでよく見られる)
今回の記事では、トイレのゴボゴボ音について、さらに掘り下げていきます。
トイレを流したときのゴボゴボ音の正体
トイレを流したときにゴボゴボ音が鳴るのは、サイホン現象と呼ばれる吸引現象が起きているからです。
サイホン現象が起きると水を勢いよく吸引していきますが、水がなくなると空気を吸い込むため、トイレを洗浄した最後にゴボゴボと音がするのです。
以下の動画を見ると、洗浄の最後にゴボゴボと音が鳴っているのがわかります。
このゴボゴボ音は通常1~2回程度ですが、3回も4回も続くようだと排水管で異常が起こっている可能性があります。
便器の洗浄方式によってゴボゴボ音の有無がある
通常の使用でもゴボゴボ音がするのは、サイホン現象を使って流すサイホン式便器です。
便器の洗浄方式には、水の力だけを使って流すものと、サイホン現象を使って流すものの2つがあります。
それぞれ、洗い落とし式とサイホン式です。
洗い落とし式 |
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サイホン式 |
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詳細に違いを見ていきましょう。
水の力だけで流す便器(洗い落とし式便器)
洗い落とし便器とは、タンクの水を便器に向かって流し込み、水の力を使って汚物やトイレットペーパーを排水管に押し流すタイプです。
流したときのゴボゴボ音がないので、流す音が静かに聞こえるといメリットがあります。
一方で、封水を溜める面を大きくできないので、便の汚れが便器に付着しやすくなるデメリットがあります。
以下の写真で、水の溜まり面の大きさを比較しています。
こちらは、実際に洗い落とし式の便器を流している動画です。
このように通常ならゴボゴボ音が鳴らない便器でも、排水管に異常があるとゴボゴボ音が鳴ることがあります。
サイホン現象を使って流す便器(サイホン式便器)
サイホン式便器とは、排水路の中でサイホン現象を起こし、水の力とサイホン現象の力を使って汚物やトイレットペーパーを排水管に押し流すタイプです。
サイホン現象の吸引力を利用できるので、便器の封水面が大きくても汚物をしっかり流せる一方で、流すときにゴボゴボという音が鳴るのがデメリットです。
サイホン式便器の場合、便器の中でサイホン現象が起こるように工夫されています。
こちらは、実際にサイホン式の便器を流している動画です。(冒頭の動画と同じ動画です)
このように普段からゴボゴボ音が鳴るタイプの便器でも、3回も4回もゴボゴボ音がするようだと異常を疑う必要があります。
ゴボゴボ音が長く続く原因
ゴボゴボ音が長く続く原因は、過剰にサイホン現象が起きているからです。
過剰にサイホン現象が起きる原因として挙げられるのは、排水管の問題です。
排水管の中で本来起きてはいけないサイホン現象が起きてしまい、過剰なサイホン現象を引き起こししてしまうのです。
代表的な事例を3つ挙げていきます。
- 排水管の途中が閉塞していてサイホン現象が起きるから
- 排水管が急に屈曲していてサイホン現象が起きるから
- 縦に伸びた排水管でサイホン現象が起きるから
排水管の途中が閉塞していてサイホン現象が起きるから
1つめは、排水管が何らかの原因で部分的に閉塞している場合です。
ティッシュペーパー等のトイレに流してはいけないものを流してしまったときに、排水管が部分的に閉塞することがあります。
その閉塞した部分で、サイホン現象が起きてしまっているのです。
排水管が急に屈曲していてサイホン現象が起きるから
2つめは、排水管が急に屈曲している場合です。
本来、排水管にはゆとりを持った曲がりをつけることが推奨されていますが、何らかの理由で急な屈曲があるとその屈曲部位でサイホン現象が起きてしまいます。
縦に伸びた排水管でサイホン現象が起きるから
最後の事例が、縦に伸びた排水管によるものです。
戸建住宅の2階以上や、マンションの高層階などで発生する可能性のある現象です。
サイホン現象は閉塞・屈曲部位で起こるものですが、水路の落差が大きくても起きることがあります。
2階以上に設置されている便器だと、どうしても排水管の縦方向の落差が大きくなってしまいます。
過剰なサイホン現象を防ぐために、通常は排水管に通気口を設けるようにしますが、何らかの原因で通気口がない、または通気口が働いていないと、サイホン現象が過剰に起きてしまいます。
長く続くゴボゴボ音を放置しておくと思わぬトラブルの元に
便器のゴボゴボ音を放置するデメリットは、音の不快さだけではありません。
放っておくと思わぬトラブルの元になる可能性があります。
- トイレがつまってしまう
- 封水がなくなって異臭や虫の原因になる
トイレがつまってしまう
便器や配管の内部で、トイレットペーパーや便が堆積したまま放置しておくと、水が流れていかなくなり、詰まりを引き起こす可能性があります。
封水がなくなって異臭や虫の原因になる
サイホン現象が何度も発生していると便器の封水が十分に確保されないため、排水管から異臭がしたり、虫が入ってくる原因になります。
通常、便器はこのように十分な封水があり、この封水が排水管から異臭や虫が上がってくることを防いでいます。
ところが、サイホン現象が長く続くと、封水が十分に回復しないことがあります。
封水が十分に回復しないと、排水管とトイレの部屋内がつながるリスクが高まり、排水管から異臭や虫が上がってくる原因になります。
まとめ
サイホン式便器ではゴボゴボ音が鳴るのが一般的です。
もし、洗い落とし式便器でゴボゴボ音が鳴っていたり、サイホン式でも過剰にサイホン現象が起こったりするなら要注意です。
- 排水管の途中が閉塞していてサイホン現象が起きるから
- 排水管が急に屈曲していてサイホン現象が起きるから
- 縦に伸びた排水管でサイホン現象が起きるから
「音を我慢すればよいだけ」と思って放置しておくと、思わぬトラブルの元になるので注意しましょう。
音が気になるようなら、トイレ修理の専門業者に相談することをおすすめします。